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胸郭出口症候群の症状・原因・治療方法を徹底解説

 
胸郭出口症候群
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木城拓也
理学療法士の国家資格を保有しています。 2011/4〜2014/ 3まで『医療法人社団慶優会 増本整形外科クリニック』、2014/12〜2017/12まで『医療法人社団明由会 今給黎整形外科クリニック』で理学療法士として勤務していました。 イタリアの医者と理学療法士が考案した『筋膜マニピュレーション』という国際コースを2016年8月に全て修了しています。 2018年10月より『青山筋膜整体 理学BODY』を開業し、筋膜調整により体の痛みで悩んでいる方に施術を行なっています。
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昔から肩はこるほうだったけど、最近右の腕がしびれるんですよ。

ひどいときは、腕全体がだるくて、肘から先が冷たい感じまでしてきます。

あまりにひどいので怖くなって整形外科を受診したら、『胸郭出口症候群』と言われました。

胸郭出口症候群?

聞いたことないけど、それって何ですか?

治りますか?

この記事では胸郭出口症候群でお悩みの方に、少しでも役に立つような記事を、整形外科に長年勤務していた理学療法士の視点から書いていきたいと思います。

ネットで検索して出てくるよくあるまとめ記事よりも、濃い内容でわかりやすい記事を心がけて書いています。

なので、胸郭出口症候群でお悩みの方は最後まで読んでいただけると嬉しいです。

胸郭出口症候群とは?

胸郭の出口とされる鎖骨や第一肋骨、またその周囲にある筋肉などにより、腕に向かう神経や血管が圧迫されたり牽引されたりすることで、起きる症状の総称のことです。

胸郭出口症候群の症状

胸郭出口症候群によるしびれ

胸郭出口症候群は、胸郭の出口付近で神経や血管を巻き込んで起きる症状の総称なので、症状は多岐にわたります。

下で述べる症状の全てが出るというわけではありませんし、逆に必ずどれか一つだけしか出ないというわけでもありません。

複数出る場合もあれば、一つしか出ないケースもあります。

①痛み

後ろを振り返ろうと首を動かしたり、洗濯物を取りこむために腕を挙げたりしたときなどに、首や腕や肩甲骨周囲に痛みを感じます。頭痛やめまいもここに含みます。

②しびれ

デスクワークで長時間座っていたり、つり革に長時間つかまっていたりすると、腕や手などにしびれを感じます。

ひどくなってくると、何もしていなくても常に腕や手がしびれます。

③感覚異常

痛みともしびれともとれないような違和感や腫れぼったい感じがしたり、触られた感覚が反対側の腕や手と違ってきます。

④冷え

反対側と比べてあきらかに手が冷たくなります。

⑤運動障害

握力が低下したり、細かい作業がやりづらくなったりします。

そのままにしていると、筋肉が萎縮していき反対の手と比べるとやせ細ったような手になります。

⑥手(腕)の色が変わる

動脈が圧迫されることで、血流不足となり圧迫されている部位から先の方で白っぽくなります。

静脈の血流が悪くなると、青紫色になることもあります。

神経・血管の圧迫や牽引はどこで起きているの?

疑問の女性

胸郭出口症候群の症状を改善するためには、あなたのその症状はどこの場所でどのように神経や血管が障害されているのかを知る必要があります。

よくこれをしっかり調べずに、ただやみくもに硬い首周りや腕の筋肉をマッサージしている治療院の話を聞きますが、それでは運よく治ることもあると思いますが、確率は極めて低いと言わざるを得ません。

神経や血管は腕に向かう途中にたくさんの“トンネル”を通過します。

その中でも胸郭出口症候群で問題になる“トンネル”は3つあります。

あなたはどこの“トンネル”の障害で症状が出ているでしょうか?

ひとつづつ解説させていただきたいと思います。

斜角筋隙(一つ目のトンネル)

首から出た神経や血管(腕神経叢)が上肢に向かう道のりで最初に通るトンネルがこの斜角筋隙です。

胸郭出口症候群 斜角筋隙

このトンネルは、前壁を前斜角筋、後壁を中斜角筋、底面を第一肋骨が構成しています。

デスクワークや不良姿勢でここの斜角筋が緊張してくると、この前壁と後壁の隙間は小さくなります。

また斜角筋は第一肋骨に付着しているので、底面である第一肋骨も引き上げられて、さらに隙間は小さくなります。

こうなるとこのトンネル自体が非常に狭いトンネルになり、神経や血管を圧迫し、腕や背中に症状が出ます。

この状態を別名『斜角筋症候群』と呼びます。

◎肩甲骨周囲に症状が出るとき

肩甲骨の周辺に痛みやしびれが出るケースはこの1つめのトンネルである斜角筋隙での問題のことが多いです。

なぜなら、肩甲骨の方に向かう神経や血管は、この1つ目のトンネルを通った後は、2つ目と3つ目ののトンネルは通らずにそのまま肩甲骨の方へ向かうからです。

肋鎖間隙(2つ目のトンネル)

胸郭出口症候群 肋鎖間隙

このトンネルは、上面が鎖骨、底面が第一肋骨で構成される骨のトンネルです。

なで肩の人は、鎖骨が下にさがっているので、トンネルの上面が低くなり、神経や血管が圧迫されやすいです。

また腕を挙げたときも鎖骨が後方に回旋するため、トンネルが狭くなり症状が通常時よりも出やすくなります。

小胸筋下間隙(3つ目のトンネル)

胸郭出口症候群 小胸筋下間隙

神経や血管が腕にいくまでの最後のトンネルが小胸筋下間隙です。

上面が小胸筋で、底面が烏口鎖骨靭帯と呼ばれる靭帯で構成されています。

不良姿勢などでこの上面の小胸筋が緊張していたりすると、トンネルは狭くなります。

また肩を横から上げようとする(肩外転)と、このトンネルはさらに狭くなるので、症状が誘発されやすくなります。

これを『過外転症候群』と呼んでいます。

◎つり革や洗車など腕を長く挙げていて症状が出るとき

つり革を握る時や、洗車をするときなど腕を長く挙げていて症状が出たりするケースは、この3つ目のトンネルである小胸筋下間隙で起きる過外転症候群が原因の可能性が高いです。

胸郭出口症候群かどうか自分でチェックする方法

ルーステスト

胸郭出口症候群をチェックするテストはいくつかあるのですが、自分1人でできるのは『ルーステスト』と呼ばれるテストになります。

ルーステストは▲の写真のように肩と肘を90度に曲げて、ぐーぱーぐーぱーと指の曲げ伸ばしを繰り返します。

これを3分間継続しても平気であればあなたが胸郭出口症候群の可能性は低いです。

3分間できなければ、あなたは『胸郭出口症候群』の疑いありです。

1分持たない場合は、一般的には手術の可能性も考えたほうがいいと言われています。
(あくまで一般的にはなので、私の個人的な見解としては、手術しなくても治ります。もし手術と言われた方はご相談ください。)

神経や血管が通るトンネルが狭くなってしまう原因

神経や血管が通るトンネルが狭くなってしまう原因は、トンネルを構成する筋肉が緊張しているためです。

そしてこの筋肉の緊張は、特定の動きを繰り返す生活習慣や普段の姿勢に強く影響を受けます。

胸郭出口症候群になりやすい生活習慣とは

力仕事

生活の中で重いものを持ち運びするような習慣がある人はなりやすいです。

例えば、土木や建築現場で働く方や、引っ越し業者の方などの力仕事の方。

また、大家族の主婦の方なんかも、日々の買い物で重いものを両腕にかけて持ち帰ったりしているとなりやすいです。

胸郭出口症候群になりやすい姿勢3つ

胸郭症候群になりやすい姿勢は大きく分けて3つあります。

背骨が丸まり頭部が前方に突出した姿勢

不良姿勢

このように背中が丸まり、首が前に出た座り方で長時間仕事をしたりしていませんか?

この姿勢を続けていると首の筋肉は緊張します。

なぜなら首と顔の重さを、肩甲骨から首の骨についている筋肉で支えなければいけません。

肩甲骨から首についている筋肉が働かないと首が重力で床に落っこちて死んでしまいます。

当然、胸郭出口症候群の原因とされる斜角筋も、この首を支えている筋肉に含まれます。

常にこんな姿勢でいると、首と頭を支えるために緊張しっぱなしの斜角筋が、トンネルを狭くして、神経や血管を圧迫して腕や背中に症状が出るということも十分考えられるのです。

姿勢が悪くなる原因と改善方法について細かく書いた記事が▼にあるので是非読んでみてください。

悪い姿勢を改善できない原因と治し方!

いかり肩

いかり肩の方は、1つめのトンネル(斜角筋隙)が狭くなりやすいため、胸郭出口症候群になりやすいと言われています。

いかり肩の方というのは、鎖骨や第一肋骨や肩甲骨が高い位置にあります。

これは重力により鎖骨や第一肋骨や肩甲骨が下方に引き下げられる力に対して、頸部の筋肉が過剰に拮抗しているために生じていると考えられます。

そのため頸部の筋肉は発達し、1つめのトンネル(斜角筋隙)は狭くなり、神経や血管が圧迫され、胸郭出口症候群の症状が出やすい状態になっています。

こういった方は、首周り、特に斜角筋の筋肉を緩めることができれば症状は改善しやすいです。

なで肩

なで肩の人も胸郭出口症候群になりやすいです。

ですが、なで肩の人は2つめのトンネル(肋鎖間隙)での障害が多いです。

なで肩の人というのは、いかり肩の人とは反対に、鎖骨や第一肋骨や肩甲骨が低い位置にあります。

これはいかり肩の方とは逆で、重力で、鎖骨や第一肋骨や肩甲骨が下方に引っ張られる力に負けている状態と考えられます。

第一肋骨は胸骨や肋間筋などにより支えられておりそこまで重力の影響で下方に引っ張られることはないのですが、鎖骨は宙に浮いている部分が多いため、重力で下に引っ張られる力の影響を受けやすいです。

そうすると、第一肋骨と鎖骨で構成される2つめのトンネル(肋鎖間隙)は狭くなり、神経や血管は圧迫され胸郭出口症候群の症状が出やすくなります。

こういった方は、肩甲骨や鎖骨を引き上げる作用のある僧帽筋の筋力トレーニングなどを行うと症状が改善しやすいです。

胸郭出口症候群を改善するためには

胸郭出口症候群に悩む人

胸郭出口症候群の症状を改善するためには、どこのトンネルで障害が起きていて、そのトンネルが狭くなる原因が生活習慣なのか、姿勢なのかを特定する必要があります。

そしてまずはその原因となっている生活習慣や姿勢を改善するようなことをやってみてください。

特に生活習慣に関しては、しばらく重いものを持たないようにしたり、パソコンをする時の姿勢を気を付けたり、時間を減らしたりするだけで症状が軽減したりします。

ただ、仕事上重いものを持つことは避けれない方や、1日中パソコンに向かわなければいけない方もいらっしゃるかと思います。

そういった方はやはり専門家に相談して、必要であれば専門的な治療を受けられることをおすすめします。

私のサロンでも胸郭出口症候群を改善するための施術やトレーニングを行っています

私のサロンでも胸郭出口症候群を改善するための施術やトレーニングを行っています。

施術の方法は主に筋膜の調整をメインに行っています。

筋膜の施術については▼の記事に詳しく書いていますので、こちらをご覧ください。

筋膜の施術とは?

手や腕がしびれて仕事に集中できないという方

首から肩にかけて痛くてお困りの方

頭痛まで出てきているという方

力になりたいです。

1度私にご相談ください。

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木城拓也
理学療法士の国家資格を保有しています。 2011/4〜2014/ 3まで『医療法人社団慶優会 増本整形外科クリニック』、2014/12〜2017/12まで『医療法人社団明由会 今給黎整形外科クリニック』で理学療法士として勤務していました。 イタリアの医者と理学療法士が考案した『筋膜マニピュレーション』という国際コースを2016年8月に全て修了しています。 2018年10月より『青山筋膜整体 理学BODY』を開業し、筋膜調整により体の痛みで悩んでいる方に施術を行なっています。
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