この記事を監修している人:木城 拓也(理学療法士免許所有)

ランニングなどの運動をしていて、膝の内側に痛みを感じたことはないでしょうか。
運動する度に膝が痛いと、運動に集中できず心配になるでしょう。
運動をしていて膝が痛くなる場合、鵞足炎である可能性があります。
鵞足炎は、膝の内側にある鵞足に炎症が起こっている状態のことです。
鵞足炎は、治療をすれば痛みが治るとされる疾患ですが、放置してしまうと安静にしていても痛みが現れてしまいます。
鵞足炎による痛みが続かないように、本記事では鵞足炎の原因や痛みを治す方法や効果的な予防法について解説します。
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ぜひご活用ください。

鵞足炎って何?
鵞足炎は、膝の内側にある鵞足が炎症を起こし痛みが生じる疾患です。
鵞足は、脛骨という脛の骨の内側に位置しており、膝から5cmくらい下の箇所を指します。
鵞足には、縫工筋と薄筋、半腱様筋の3つの筋肉がついています。
この3つの筋肉は、膝を曲げたり膝から下をひねったりするときに使われるものです。
そのため膝の曲げ伸ばしや、膝から下をひねる動作が多いスポーツをしている方がなりやすい炎症でもあります。
鵞足炎で現れるおもな症状は、膝の内側の痛みです。
鵞足を押すと痛くなったり、腫れや熱感が生じたりします。
運動するときや、階段昇降時に痛みが強くなり症状が悪化すると、安静にしていても痛みが持続する状態になってしまいます。
膝内側が痛い!鵞足炎の原因とは?
鵞足炎の原因は、下記の4つです。
- 運動量の増加
- 膝の柔軟性低下
- 膝の筋力低下
- ランニング靴が合わないなどの環境の影響
それぞれについて解説します。
運動量の増加
鵞足炎のおもな原因は、運動量が増加したことによるオーバーユース(使いすぎ)です。
特に、膝の曲げ伸ばしや膝から下を外側にひねる動作が多いランニングやサッカー、バスケットボールなどをする方は、鵞足炎になりやすい傾向にあります。
膝の曲げ伸ばしや膝から下をひねる動作をする筋肉は、鵞足についています。
そのため、これらの動作を行う運動が増えると鵞足への負担が増え、炎症が起こるといった仕組みです。
またアスリートだけでなく、運動を始めたばかりの方でも運動量の急激な増加が原因で鵞足炎になる可能性があります。
膝の柔軟性低下
膝の柔軟性の低下も、鵞足炎の原因の一つです。
膝周りの筋肉の柔軟性が低下している状態で筋肉を動かそうとすると、筋肉とつながっている腱にストレスがかかります。
このストレスによって鵞足炎になり、痛みが生じてしまうのです。
筋肉をほぐし柔らかくすることで、筋肉とつながる腱にストレスがかかるのを緩和できます。
鵞足炎にならないために、ストレッチをして膝の柔軟性を高めましょう。
膝の筋力低下
鵞足炎は、膝の筋力低下が原因とされることもあります。
膝周囲の筋力低下が発生すると、他の筋肉がそれを補おうとするため通常は関与しない筋肉が活動し、フォームが乱れることがあります。
そしてランニングフォームが乱れることで、着地時に太ももの骨が内側にねじれる可能性が高まり、鵞足炎のリスクが増大します。
つまり、足が地面に接触したときに内股になることは好ましくありません。
その予防策として、内側のねじれを防ぐために筋肉を鍛えることが非常に重要です。
膝の筋力トレーニングと並行して、再発を防ぐためにフォームの改善も行うと良いでしょう。
ランニング靴が合わないなどの環境の影響
鵞足炎は、ランニングシューズがフィットしないなどの環境要因によって引き起こされることがあります。
ランニングシューズがフィットしない場合、鵞足に過度の負荷がかかり過度の使用につながり、痛みを引き起こす可能性があります。
そのため、自分に合ったランニングシューズを選ぶことは非常に重要です。
また内股になる傾向のある方は、靴の内側が早く摩耗することがあります。
そのため、内側が高くなっているインソールを使用することも対処法の一つです。
鵞足炎になりやすい方の特徴
鵞足炎になりやすい方は、下記の特徴があります。
- 膝の曲げ伸ばし、膝から下をひねる動作が多いスポーツをしている(ランニング、サッカー、バスケットボールなど)
- 自分に合わない靴を履いている
- ストレッチを行わない
- 運動量が急激に増えた
- 肥満
- もともと膝に疾患がある(変形性膝関節症など)
- 筋肉が硬い
鵞足炎を早く治すための対処法
鵞足炎を早く治す方法には、どのようなものがあるのでしょうか。
軽症の場合と重症の場合で対処法が異なるため、それぞれ分けて解説します。
軽症:運動量を調節する
痛みや違和感が運動時や運動後のみにある場合は、軽症と考えられるでしょう。
軽症の場合は、悪化させないことが重要です。
鵞足炎は、使いすぎが原因で起こります。
痛みが出ているということは使いすぎている可能性があるため、運動量やフォーム、環境を見直してみましょう。
運動量を減らしたり、フォームが適切か確認してみたりするといいでしょう。
運動前後のストレッチも忘れず行い、疲労を蓄積しないことも大切です。
軽症のときに、痛みを放置して運動をし続けてしまうと重症化する可能性もあります。
少しでも違和感や痛みがあるときは、放置しないようにしましょう。
重症:運動を控える
重症化すると、運動せずに歩いたり安静にしていたりするだけでも痛みが生じます。
その場合は、必ず運動をやめましょう。
運動を中止している間は、痛みのない範囲でストレッチや筋力トレーニングをしましょう。
筋肉を鍛え、柔軟性を高めておくと再発防止につながります。
準備運動やアイシング・ストレッチを行う
鵞足炎を早く治すためには、準備運動やアイシング、ストレッチをするといいでしょう。
アイシングを実施する目的は、痛みが現れ始めたときの炎症を抑えるためです。
アイシングをすることで、痛みや腫れが軽減されて症状が悪化するのを予防できます。
タオルに包んだ保冷剤や氷水を、痛みがある部分に20分間当てるとアイシングの効果が得られるといわれています。
アイシング後、体温が元に戻り膝を動かせるようになったらストレッチを行いましょう。
筋肉が硬くなった状態のままでいると摩擦が起きやすくなるため、炎症につながりさらに鵞足炎の悪化につながります。
炎症を予防するために、ストレッチをして筋肉を柔らかくしましょう。
また、運動前も筋肉の柔軟性を高める必要があります。
そのため、準備運動はかかさず行うようにしましょう。
準備運動なしでいきなり運動を始めると、腱が急に伸びて炎症が起きやすくなります。
準備運動でしっかり筋肉の柔軟性を確保してから、運動を始めましょう。
鵞足炎に効果的なストレッチ
鵞足炎を治すためには、ストレッチが必要不可欠です。
また、ストレッチは鵞足炎の予防にもつながります。
鵞足炎に効果が期待できるストレッチは、下記の3つです。
- 股関節のストレッチ
- ハムストリングスのストレッチ
- 大腿四頭筋のストレッチ
それぞれのストレッチについて、詳しく説明します。
股関節のストレッチ
鵞足炎は、太ももの内側の柔軟性が低下していると起こりやすいです。
特に、鵞足についている筋肉のなかで一番内側に位置している薄筋が、痛みに大きく関与しているといわれています。
そのため、薄筋を含む太ももの内側のストレッチをすることで、鵞足炎の予防が期待できます。
太ももの内側のストレッチは、下記の手順で実施してみてください。
- 床にマットを敷く
- その上に膝立ち位になる
- 痛みがない程度に足を広げる
- 前に手をつく
- おへそを突き出したまま、後ろに正座をするように下げていく
- 内ももの伸びを感じるところで、15~30秒ほどキープする
ストレッチに慣れてきて負荷を強くしたい場合は、足をより広げると負荷が強くなります。
猫背のまま下げてしまうと内ももの伸びが感じにくいため、おへそを突き出して下げることを意識しましょう。
ハムストリングスのストレッチ
鵞足炎は、ハムストリングスの柔軟性が低下していることが原因で起こります。
ハムストリングスは太ももの裏側にある筋肉で、膝を曲げる、股関節を後ろに振る動きのときに働きます。
ハムストリングスのストレッチは、下記の手順で実施しましょう。
- 椅子に浅く座り、片足を前に出す
- 膝が曲がらないように手で押さえる
- そのまま身体を前に倒す
太ももの裏側が伸びているのを意識して、無理のない範囲で行ってください。
このストレッチを行うことで、太ももの裏側にあるハムストリングスが伸ばされます。
大腿四頭筋のストレッチ
大腿四頭筋は、太ももの前についている筋肉で膝を伸ばしたり股関節を曲げたりするときに働きます。
大腿四頭筋は、ランニングなど多くのスポーツで使う筋肉です。
大腿四頭筋のストレッチはうつぶせ、横向き、立位の3つの姿勢で実施できます。
無理なく行える姿勢を選んで、ストレッチを行いましょう。
<大腿四頭筋ストレッチ うつぶせver.>
- うつぶせになる
- 片足を曲げる
- 曲げた足を手で掴み、おしりに近づける
- 曲げた足をおしりに近づけるときに、太ももの前側が伸びていることを感じてください。
痛みがない範囲で実施しましょう。
<大腿四頭筋ストレッチ 横向きver.>
- 横向きで寝っ転がる
- 上にある足の足首を掴み、おしりのほうに引っ張る
足をお尻のほうに引っ張るときに、股関節が曲がったり腰が反ったりしないように注意しましょう。
痛みのない範囲で、足をおしりに近づけてください。
<大腿四頭筋ストレッチ 立位ver.>
- 片手を壁に添えて立つ
- 壁についていないほうの手で足首を掴んで、膝を曲げる
身体がまっすぐになるように意識しましょう。
※そのほか鵞足炎の症状を根本から改善できるよう、あなたの痛みに効果的な筋膜リリース動画をLINEにて無料でお伝えしています

鵞足炎が治る期間について
鵞足炎は、重症度によって治る期間が異なりますが、10日〜3週間程度で治るとされています。
スポーツに復帰するまで約1か月かかると言われていますが、重症の場合は1か月以上かかってしまうことも少なくありません。
鵞足炎にならないのが一番ですが、もし炎症が起きてしまった場合は医療機関や整体へ行き治療をしましょう。
痛みが続くときは受診
膝の痛みを感じて運動を休止したり、ストレッチをしたりしても痛みが続くときは、医療機関を受診しましょう。
専門家に診てもらうことで、本当の原因や正しい治療法がわかる場合もあります。
膝の痛みが続くと日常生活を送るのに支障がでてくるだけでなく、運動ができない状態はストレスがたまるという方もいるのではないでしょうか。
痛みが現れたら放置せず、医療機関を受診するようにしましょう。
整体に通うことで症状が改善することもある
鵞足炎は整体に通うことで、症状が緩和される方もいます。
医療機関を受診しても症状がなかなか良くならない方は、根本的な原因に対する治療ができていない可能性があります。
青山筋膜整体理学BODYでは、痛みの原因を特定するための時間を多く設けています。
そのため、痛みの原因にアプローチでき、最短ルートで改善に向かえるのが特徴です。
また、理学BODYでは専門家による筋膜リリースという施術を受けられます。
ストレッチをしても改善されない方は、鵞足炎が長引く原因として筋膜が硬くなっているために痛みを引き起こしているかもしれません。
筋肉ではなく筋膜が硬い場合は、筋膜リリースをすれば症状が改善する可能性が高いです。
実際、鵞足炎と診断されて治療をしていたものの良くならず、理学BODYの筋膜リリースを受けて改善した方もいらっしゃいます。
この記事のまとめ
鵞足炎の原因やなりやすい方の特徴、対処方法、効果的なストレッチについて解説しました。
鵞足炎は、膝の内側が痛む疾患です。
運動量の増加や膝周りの筋肉の柔軟性低下、筋力低下、合わないランニングシューズなどが原因で起こります。
運動量が増えて使いすぎることで痛みが生じるため、治療では運動を休止して安静にすることが重要です。
また、柔軟性と筋力低下も原因の一つであるため、ストレッチと筋力トレーニングは予防に効果的といえるでしょう。
安静にしてもストレッチをしても改善がみられない場合は、筋肉の問題でなく筋膜が硬くなっていることが原因かもしれません。
理学BODYでは鵞足炎の根本原因となる場所へアプローチし、症状の改善と再発の予防を行います。
もし、病院や整体院へ通っても症状が思うように改善しない場合は、筋膜のプロである私たちに一度ご相談ください。
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理学療法士の国家資格を取得後、都内のスポーツ整形外科クリニックで医師と連携しつつプロスポーツ選手や箱根駅伝選手などを担当し、技術を磨いてきました。その過程でイタリアの医師が考案した国際コースである『Fascial manipulation(筋膜マニピュレーション)』のコースを修了しています。筋膜を通じて痛みに悩まされている人を救いたいです。