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手の親指の付け根が痛い場合に考えられる原因と治療法を理学療法士が解説

 

何かを掴もうとしたときに『親指の付け根に感じるつらい痛み』に悩まされていませんか?

指の関節の痛みというと、一般的には『リウマチ』や『腱鞘炎』ですが、親指に限定した痛みであれば母指CM関節症かもしれません。

あまり耳にしないこの病名ですが、大まかに言うと、親指の付け根の関節に問題が起こり生じる痛みのことです。

特に家事や手仕事で親指を日常的に酷使する人や中高年の女性に多く、放っておくとどんどん悪化し関節が変形してしまうこともあります。

本記事では、親指の付け根が痛むときに考えられる原因や治療法について理学療法士が詳しく解説していきます。

 

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手の親指の付け根が痛い場合に考えられる3つの疾患

日々の生活の中で知らず知らずのうちに痛くなってしまった親指の付け根。

『手を着いて転んだ』『変な方向に捻った』など、明らかな原因がないからこそ深く考えない人がほとんどです。

しかし、最初は違和感程度の痛みでも徐々に慢性化し、最終的には耐えられないほど痛くなってしまうこともあります。

親指の痛みに関連する原因疾患は実に様々で、その代表的なものは

  • 母指CM関節症
  • 関節リウマチ
  • 手首の腱鞘炎

の3つがあります。

それぞれの特徴を理解し、ある程度自分でも痛みの原因が予測できるようにしていきましょう。

母指CM関節症の診断を受けている人、可能性が高い人で治療法を先に知りたい方は『母指CM関節症の治療法』を覗いてみましょう!

 

 

母指CM関節症

手の指は、小さな骨同士の繋がりで作られ、それぞれを小さな関節が繋いでいます。

『母指CM関節』とはその関節のひとつで、親指の付け根の部分を指します。

何らかの原因で、関節にストレスが掛かると、関節のクッションの役割を果たす軟骨部分がすり減ってしまい痛みに繋がってしまいます。

▼原因と病態

母指の手前の甲の骨(第1中手骨)と手首の小さい骨(大菱形骨)の間の関節(第1手根中手骨関節:CM関節)は、母指が他の指と向き合ってつまみ動作ができるように大きな動きのある関節です。
その分使い過ぎや老化に伴って、関節軟骨の摩耗が起き易く、進行すると関節が腫れ、亜脱臼してきて母指が変形してきます。

参照元:公益社団法人 日本整形外科学会

主に加齢による関節の摩耗や、使い過ぎによる過度なストレスが原因となることが多いです。

また、女性ホルモンの影響を受けることもあります。

 

症状と特徴

初期は親指の付け根部分に軽いだるさを感じる程度ですが、徐々に痛みが悪化し少し動かしただけでもピリッとするような鋭い痛みに変わります。

症状が悪化すると、親指の付け根の部分が大きく膨らんできたり、関節の変形や亜脱臼(関節がずれてしまうこと)を伴うこともあります。

そうなってくると、親指を使ってものを摘むなどの動作(例:鉛筆を持つ、ペットボトルキャップの開閉、洗濯バサミをつまむなど)で力が入らなくなってしまいます。

 

どんな人がなりやすいか

女性ホルモンの影響を受けやすいことや、日頃から家事動作の中で親指を酷使する機会が多い女性に多くみられます。

発症年齢では、閉経前後の40歳代以降が特に多く、加齢に伴い関節の変形が進んでしまいます。

男性や若い世代の人にも、手作業を仕事に持つ人などにはまれにみられることもあります。

※母指CM関節症の疑いがある場合は『母指CM関節症の治療法』を覗いてみましょう!!

 

関節リウマチ

指の痛みや変形と言うと、「リウマチかな?」と心配になる方も多いです。

確かに、関節リウマチの症状の一つに手の指の関節の腫れや痛み、変形が生じることがあります。

関節リウマチとは、自己免疫疾患じこめんえきしっかんのひとつです。

本来ウイルスや細菌などの外敵から身を守る免疫機能めんえききのうが、何らかの理由で異常をきたし、自分の関節を守る組織や軟骨・骨などを外敵と勘違いして攻撃してしまうために起こる病気です。

関節に炎症や痛みが生じ関節が動かしにくくなったり、ひどくなると変形を伴ってしまいます。

 

症状と特徴

関節リウマチの代表的な症状は、朝に関節がこわばり動かしにくさや痛みが生じることです。

また、右手か左手かのどちらかの関節ではなく左右対称に症状が生じます。

手の関節で症状が起こりやすい部位は、指の第2関節、第3関節、親指の第1関節、手首の関節です。

 

母指CM関節症との見分け方

先程お伝えした通り関節リウマチは手の4本の指では根本の関節、親指では指先の関節に症状が起こりやすいのが特徴的です。

そのため、他の指には症状が起こらず親指に限定された痛みや腫れに悩まされる場合は、関節リウマチ以外が原因となっているかもしれません。

他にも、足首や足の指の関節にも同様な症状が起こることもあります。

 

▼リウマチやその他の原因と対処法ついての記事

 

手首の腱鞘炎

手首の腱鞘炎でも、親指付近にまで痛みが及ぶこともあります。

腱鞘炎とは、骨と筋肉を繋ぐ腱と、腱を覆うトンネルである腱鞘が使い過ぎや何らかのストレスが掛かり擦れ合って炎症を起こしてしまう疾患です。

従来は美容師さんやピアニストなど指先を多く使う仕事をする人に多くみられていました。

しかし、近年ではパソコンやスマホの操作増えた若者にも多くみられるようになってきています。

 

症状と特徴

炎症が起こる部位によって『インターセクション症候群』や『ドケルバン病』『ばね指』など様々な呼ばれ方をします。

中でも、母指CM関節症と良く似た親指付近に症状が出るのが、親指の腱や腱鞘の炎症によって起こる『ドケルバン病』です。

このドケルバン病は、

  • 親指を広げたり、動かそうとすると痛む
  • 手首の親指側が腫れる
  • 親指に力が入りにくくなる

といった特徴的な症状が見られる場合に疑います。

 

▼ドケルバン病の原因の痛みと対処法について

 

多くは痛みだけではなく炎症が起きている部分に腫れや熱っぽさもみられます。

ひどくなると親指の筋肉が痩せてしまい力が入らなくなってしまうこともあるので、早めに受診することが大切です。

 

母指CM関節症との見分け方

母指CM関節症では手の親指の付け根に限局した痛みが生じるのに対し、ドケルバン病はより手首に近い部分に痛みや腫れが伴います。

この痛みの部位で見分ける他にも、ドケルバン病かどうかを調べる為のセルフチェック法があります。

なかなか症状だけでは見分けるのが難しい場合には試してみましょう。

フィンケルシュタインテスト
  1. 検査する方の親指を内側に倒す
  2. 反対の手で、親指を掴み、小指の方へ引っ張る

⇨手首の親指側の痛みが強くなる場合は『ドケルバン病』の可能性あり

フィンケルシュタインテスト変法(上記を片手で行う方法)
  1. 検査する方の親指を内側に入れて、握りこぶし(グー)をつくる
  2. その形のまま、小指側に倒す

⇨手首の親指側痛みが強くなる場合は『ドケルバン病』の可能性あり

上記のセルフチェックでも痛みの悪化が見られない場合は、母指CM関節症である可能性が高くなります。

今回は、親指の付け根に限局した痛みに多い母指CM関節症について詳しく解説していきます。

 

母指CM関節症の原因

母指CM関節症の原因は主に以下の4つに分けられます。

  • 親指の使い過ぎ
  • 手の筋肉の硬さ
  • 更年期以降の体の変化(※女性の場合)
  • 過去の外傷など

それぞれの原因について、詳しくみていきましょう。

 

親指の使い過ぎ

日々の生活の中で、何をするにも無意識にも働き続けているのが手の指です。

その中でも親指は他の4本の指と比べてもその動きの幅が広く、その分使用頻度も取り分け多くなってきます。

親指に負担が掛かる動作の例としては

  • ペットボトルやビンの蓋を開ける
  • ホッチキスやハサミなどを使う
  • タオルを硬く絞る
  • 鉛筆を持つ
  • 草むしりなど、なにかを掴んで引っ張る
  • スマホやゲーム機の操作やパソコンのキーボード操作

などなど、挙げればきりがありません。

日々の疲れの蓄積や使い過ぎで、関節が耐えられなくなると他の関節と同様に痛みや変形が生じてしまいます。

 

筋肉が硬い

手首や親指の周りには、細かな筋肉がたくさん付着しています。

親指の多様な動きは、その筋肉が伸び縮みすることで可能となります。

そんな親指周りの筋肉が硬くなり柔軟性が低くなると、その分関節の動きも狭まることでより負担が掛かりやすくなってしまいます。

また、筋肉が硬くなると血の巡りが悪くなり、痛み物質が発生してしまいます。

これが親指の付け根の痛みの原因となってしまいます。

 

更年期による体の変化

更年期以降に分泌が低下する女性ホルモンである『エストロゲン』は、関節を柔軟に保つためにも働きます。

これが閉経を境に少なくなってしまうことで、柔軟性を失った関節はストレスへの耐性が低くなり、炎症が起こりやすくなってしまいます。

その為、母指CM関節症は男性に比べ女性の割合が高く、特に40歳代から70歳代の更年期以降の女性に多く発症してしまいます。

 

過去の外傷など

過去に、親指の怪我をしてしまった人にも多くみられます。

例えば、過去に親指の骨折をしてしまった人は、その骨を覆う軟骨に損傷が生じている可能性があります。

その状態で親指を使い続けてしまうと骨と骨がぶつかり合い、痛みや炎症につながってしまいます。

また、スポーツなどで繰り返し突き指をしてしまうことも、関節の柔軟性が低くなってしまったり、軟骨がすり減りや変形に繋がりやすくなってしまう可能性があります。

このように、過去の怪我が後に母指CM関節症となる原因となってしまうこともあります。

 

母指CM関節症の治療法

母指CM関節症はその病状や症状の程度によって治療法が異なりますが、主に

  • 安静にする
  • サポーターを着ける
  • 注射をする
  • 手術をする
  • マッサージ・ストレッチをする

の5つがあります。

治療の流れとしては、軽症の場合はまずは安静にして様子を見る保存療法が選択されます。

痛みの度合いによって薬物療法や痛み止めの注射を併用します。

また、手の使用頻度に応じてサポーターなどの装具を使用します。

痛みがどんどん強くなる場合や、指先の変形が強い場合は手術療法が選択されます。

 

安静にする

母指CM関節症の主な原因は親指の使い過ぎによるものです。

痛みが強い場合は、基本的には安静が第一優先です。

なるべく動かさないようにし、痛みが強い場合は消炎鎮痛剤の湿布や外用薬を貼って様子をみます。

軽症の場合は、ほとんどが痛みや腫れなどの症状が緩和してきます

生活の中で 親指に負担のかかる動作を見直し、反対の手や両手で行なったり周囲の人に助けてもらうなど、できる範囲で工夫していきましょう。

現在では、指先に負担の掛からない補助具などがショッピングモールなどでも手に入りやすくなっています。(ペットボトルキャップの開閉など)。

必要に応じて、便利な道具を使用してみるのもよいかもしれません。

 

サポーターやテーピングをする

日常生活の中で使用頻度の高い手の親指は、安静と言ってもなかなか難しい場合があります。

そんな時や、軽症の場合で手仕事を行う時などはサポーターやテーピングを使用します。

サポーターは軟性装具といい、関節を保護する目的で使用されます。

硬めの包帯で親指周りを八の字に巻くテーピングも親指に無理な動きをさせないためには有効です。

 

注射をする

安静でもなかなか痛みや腫れが治らない場合や、日常生活や仕事がままならない場合はステロイド注射をすることもあります。

ステロイド注射とは、腫れや痛みなどの炎症症状を抑える効果があり、関節に直接注射します。

改善までの期間には個人差はありますが、おおよそ注射から2~3週間以内に症状が改善することが多いです。

また、注射の持続期間としては3か月~長くて半年ほどで、軽症の場合はほとんどがステイロイド注射と安静で症状が改善します。

ステロイド注射の後に再発をしてしまう方も中にはいます。

何度もステロイド注射を繰り返すと、徐々にその効果は薄れてしまうことが多いです。

徐々に腱の周りにステロイドが蓄積し、腱が脆くなって切れてしまうこともあるので注意が必要です。

また、一度ステロイド注射を打つと一定期間、間隔を空ける必要もあります。

その他にも、糖尿病などの基礎疾患を抱える方の中にはステロイド注射が打てない場合もあるので医師と相談が必要です。

何らかの理由でステロイド注射での治療が困難な場合は、手術での治療が選択されます。

 

手術をする

保存療法でもなかなか改善が見られない場合や、関節の変形が強い場合には手術が適応となります。

変形や病状の程度によって差がありますが、多くの場合は麻酔下で1〜2時間程度で行われます。

術式によってその後の経過は異なりますが、手術の後は、おおよそ3〜4週間ギプスで固定し関節を保護します。

医師の指示に応じてリハビリを行いますが、術後3ヶ月程度は親指を強く握ることは控えます。

通常の生活に戻れるのは、多くの場合が術後3〜4ヶ月程度となります。

痛みや腫れが強く生活や仕事に支障が出てしまう場合や、根本的な治療を望まれる場合は早めに病院を受診しましょう。

 

マッサージ・ストレッチをする

軽症の場合は安静と適度なマッサージやストレッチが痛みの緩和に効果的となる場合があります。

手の使用前後や、痛みや腫れが少し改善してきたら、以下の方法で少しずつ行ってみましょう。

痛みや腫れが強い場合は無理なストレッチやマッサージが逆効果となる場合があるので早めの受診が必要です。

 

親指の付け根のマッサージ

手作業やスマホの操作など、親指を酷使し続けるとそれを支える筋肉が凝り固まってしまいます。

適度に母指球のあたりの筋をほぐす習慣をつけましょう。

親指の付け根の筋肉が盛り上がっている部分や、水掻きのあたりを反対の親指・人差し指を使って優しく揉み解します。

少しずつ場所を変えながら、円を描くようにマッサージしていきます。

 

親指のストレッチ

親指は横に伸ばしたり(外転)、人差し指にくっつけたり(内転)、曲げたり(屈曲)、反らしたり(伸展)など様々な動きを可能にしています。

特に日常生活では、ものを掴む時や握る時に曲げる動きを頻繁に行うことで、内転や屈曲に働く筋肉がより硬くなってしまいます。

意識的に反対側へストレッチを行うことで、過剰な筋の緊張を緩めることが痛みの緩和にこうかてきです。

ストレッチ①
  • 伸ばしたい方の手を太ももに当てる
  • 反対の手で親指を掴む
  • 親指を自分の方へ引き、反らした状態で20秒程度キープ

痛みの無い範囲で2〜3セット行いましょう

ストレッチ②
  • 伸ばしたい方の手を太ももに当てる
  • 反対の手で親指を掴む
  • 水掻きを広げるように、親指を外側へ引っ張り指をひろげた状態で20秒程度キープ

痛みの無い範囲で2〜3セット行いましょう

 

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2022/9/20 修正済みの画像
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まとめ

親指の付け根に関係する痛みは、リウマチや腱鞘炎などたくさんあります。

しかし、あなたを苦しめているのが親指の付け根のみに限定する痛みや腫れの場合は、母指CM関節症かもしれません。

日常生活で頻繁に使う親指だからこそ、痛みがあると生活に制限が出てきてしまいます。

痛みの原因を自分でも予測できるようになることが、回復への近道となります。

 


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ABOUT US
木城 拓也
理学療法士の国家資格を取得後、都内のスポーツ整形外科クリニックで医師と連携しつつプロスポーツ選手や箱根駅伝選手などを担当し、技術を磨いてきました。 その過程でイタリアの医師が考案した国際コースである『Fascial manipulation(筋膜マニピュレーション)』のコースを修了しています。 筋膜を通じて痛みに悩まされている人を救いたいです。
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