ウォーキングを始めてから、膝が痛くなった。
運動習慣をつけようとウォーキングを始めたのに膝が痛くて続けられない。
こんな悩みありませんか?
ウォーキングをする事自体はとても素晴らしく良い事ですが、膝を痛めてしまう方も少なくありません。
そこで、今回はウォーキングで膝が痛い時に考えられる事、膝が痛くなる原因や対策を解説します。
ウォーキングで膝が痛い時に考えられる事
ウォーキングで膝が痛い時に考えられる事としては、おもに以下の6つです。
- 変形性膝関節症
- 半月板損傷
- 靭帯損傷
- 腸脛靭帯炎
- 鵞足炎
- 膝関節捻挫
それぞれ解説していきます。
変形性膝関節症
変形性膝関節症とは、関節軟骨が年齢とともに弾力性を失い、使い過ぎによりすり減り、関節が変形するというものです。
■参照元:公益社団法人 日本整形外科学会
症状としては、歩き始めや立ち上がった瞬間の痛み、正座、階段の昇り降りの痛み、しにくさが挙げられます。
原因としては、加齢による関節の衰え、肥満、遺伝、骨折や半月板損傷などの外傷によるものが考えられます。
ただ、変形性膝関節症はある日突然なるものではなく、上記の原因の影響で徐々に関節の変形が進行することで発症するものです。
なので、ウォーキングした時の膝の痛みがある場合、以前から膝の曲げ伸ばしの違和感や動かしにくさがなかったのか、また、現在進行形で痛みが続いている場合は変形性膝関節症の可能性があるので、一度受診することをお勧めします。
半月板損傷
半月板とは、C型をした軟骨様の板で内側・外側にそれぞれがあり、クッションとスタビライザーの役割をはたしています。
■参照元:公益社団法人 日本整形外科学会
簡単に言うと、膝に加わる衝撃を吸収し、膝を安定させてくれる役割を持つ組織です。
ですが、膝に加わる負担が大きかったり、偏った負担が繰り返し膝にかかると、半月板は限界を超えて傷がついたり断裂してしまう場合があります。
症状としては、半月板が損傷すると、膝の曲げ伸ばしの際に痛みやひっかかりを感じたりします。
ひどい場合には、膝に水(関節液)がたまったり、急に膝が動かなくなるロッキングという状態になり、歩けなくなるほど痛くなります。
■参照元:公益社団法人 日本整形外科学会
バスケットボールやサッカーなどのスポーツ中の受傷が多いとされていますが、加齢による組織の老化で損傷、あるいは断裂することも少なくありません。
ウォーキングにおいても、歩く距離や頻度が多かったり、歩き方が悪いと半月板に負担となって損傷してしまう可能性もあります。
程度が軽い場合はリハビリテーションや痛み止めで良くなっていきますが、重症の場合は手術で半月板を縫い合わせたり、取り除くことが必要になることもあります。
靭帯損傷
細かい部分まで見るともっとありますが、膝関節には大きく分けると4つの靭帯が存在しています。
- 膝の前に付着する前十字靭帯
- 膝の後ろに付着する後十字靭帯
- 膝の内側の内側側副靱帯
- 膝の外側の外側側副靭帯
このように、前後、左右から膝を守ってくれているのが上記の4つの靭帯です。
一般に外反強制により内側側副靱帯が、内反強制により外側側副靭帯が損傷し、また脛骨上端の前内方に向かう外力で前十字靭帯が、後方への外力で後十字靭帯が損傷します。
■参照元:公益社団法人 日本整形外科学会
外反と言うのは膝が内側に飛び出すいわゆるX脚、内またのような形、内反と言うのは膝が外側に飛び出すいわゆるO脚、がにまたのような形のことを指します。
スポーツ中や交通事故など、その他大きな力が膝に加わって外反や内反へ強制されると、各靭帯が損傷される可能性があります。
こちらも可能性としては高くはないですが、ウォーキングをすることで負担となって損傷する可能性はあります。
症状としては、受傷直後は痛みや関節の動きの悪さ、腫れがメインで、しばらくするとそれらの症状は軽快していきますが、膝の不安定感が目立ち、下り坂やひねる動きの際に顕著に出現します。
そのままにしておくと、さらなる膝の痛みや半月板の損傷につながる可能性もあるため、リハビリで筋力をつけたり、サポーターで膝を安定させる、場合によっては手術が必要なこともあります。
腸脛靭帯炎
腸脛靭帯と言うのは、おしりの外側から膝の外側まで伸びる長い靭帯のことを指します。
そこが炎症を起こす腸脛靭帯炎は別名、ランナー膝とも言われ、マラソンをする方に多く見られ、足を酷使した際に膝の外側にズキズキとした痛みを生じるのが特徴です。
ただ、これはマラソンをする方だけに起こるわけではなく、ウォーキングでも起こりえることです。
真っ直ぐではなく、膝の外側や内側、前側に偏って体重をかけて歩いたり走る、立つことで、筋肉が過剰に緊張する部位が出てきます。
たとえば、外側に偏ると腸脛靭帯や外側広筋、内側に偏ると内側広筋や縫工筋、薄筋と呼ばれる筋肉が緊張します。
特定の方向へ偏って力が加わった時、極端に動きすぎないように筋肉がそれを止めるように収縮します。
このように、筋肉が過剰に収縮したり伸びたりを何度も繰り返し、日常的に行われることで、筋肉は常に緊張した状態となり、痛みを伴うようになる可能性があります。
そして、腸脛靭帯のところで何度もこすれるような力が加わることで、腸脛靭帯を起こす可能性があります。
鵞足炎
鵞足と言うのは、太ももの内側から膝の内側へかけて伸びている3つの筋肉の総称で、鵞鳥の足のように見えることからそう呼ばれています。
この鵞足がある部分は、膝の曲げ伸ばしで伸びたり縮んだりするため、階段の上り下りなど、膝の曲げ伸ばしを繰り返すことで、炎症が起こり膝の内側にズキズキとした痛みを生じます。
階段の上り下りほど膝の曲げ伸ばしは起こりませんが、ウォーキングでも鵞足に負担がかかる可能性はあります。
痛みが起こるメカニズムとしては、腸脛靭帯炎と同じように、繰り返しこすれるような負担が加わることと考えらます。
膝関節捻挫
捻挫とは、関節に力が加わり、通常の範囲を越えて骨同士が動いた場合に起こるケガのうち、骨折や脱臼はX線(レントゲン)で診断がつきますが、X線で異常がない関節のケガはとりあえず捻挫という診断になります。
■参照元:公益社団法人 日本整形外科学会
それが膝関節で起こると、膝関節捻挫ということになります。
要するに、痛みがあるけど、半月板や靭帯の損傷はなく、骨折や脱臼もないようなものが膝関節捻挫ということになります。
症状としては、腫れと痛みがメインで多くは自然に回復していきます。
足首の捻挫はイメージしやすいと思いますが、あれと同じように膝をひねったり、足を変なふうについてしまった時に受賞しやすいです。
膝が痛い時の原因
膝が痛い時に考えられる事としては、変形性膝関節症や半月板損傷が挙げられますが、原因としてはどんな事が考えられるかと言うと、ほとんどの場合は筋肉による痛みです。
それに加えて、変形性膝関節症や半月板損傷などの別の原因が加わると、より痛みを生じやすくなるということになります。
ただ、ケガや事故でもない限り、いきなり半月板や靭帯が損傷するということはなく、加齢による組織の老化で少しずつ組織が弱くなっていきます。
その過程の中で、まず筋肉が問題となって痛みを引き起こす可能性が高いということなのです。
筋肉によって痛みが起こる原因としては、以下の3つが考えられます。
- 炎症
- 筋肉の緊張が強い
- 血流が悪い
それぞれ解説していきます。
炎症
腸脛靭帯炎や鵞足炎と同じように、筋肉でも炎症が起こる可能性があります。
筋肉は他の筋肉や骨、靭帯などと隣り合う、あるいは重なり合うようにして位置しています。
なので、筋肉が収縮したり伸びると、筋肉と他の組織が滑り合ってこすれます。
通常は特に問題となることもなく、当たり前のことです。
ですが、筋肉と他の組織の滑りが悪かったり、筋肉が硬いと、こすれる時に負担が大きくなり、しかもそれが何度も繰り返されることで炎症が起こります。
ウォーキングにおいても、歩き続けるわけなので、膝周りの筋肉は繰り返し伸び縮みするため、炎症が起こる可能性はあります。
炎症の症状としては、腫れや痛みなので、炎症による痛みが起こっていることは十分に考えられるでしょう。
筋肉の緊張が強い
筋肉には痛みを起こすような刺激を感知するセンサーが備わっています。
これは筋肉だけではなく、皮膚や腱、靭帯などにも備わっているものです。
このセンサーは、筋肉が過剰に緊張して硬く縮こまった場合にも反応し、痛みを引き起こす原因となります。
ウォーキングは膝に何も問題がない方であれば特に痛みが出ることはないでしょう。
ですが、元々膝周りの筋肉が硬く柔軟性が低い、O脚やX脚など姿勢が悪いといった要因があると、筋肉を過剰に緊張させる原因となり、膝の痛みを引き起こす事があります。
血流が悪い
筋肉の緊張が高まると、筋肉内を通る血管は筋肉に圧迫されてしまい、血流が悪くなります。
筋肉にも全身をめぐる血管と同じように、酸素や栄養が供給されており、血流が悪くなると筋肉が酸欠を起こします。
すると、痛みを引き起こす発痛物質が作られるため、痛みを生じる原因になります。
ウォーキングで膝が痛い時の対策
ウォーキングで膝が痛い時の対策としては、おもに以下の5つです。
- マッサージ
- ストレッチ
- 筋トレ
- 姿勢を意識する
- 歩き方を意識する
それぞれ解説していきます。
マッサージ
筋肉の緊張や血流の悪さに対してはマッサージが有効です。
膝周りの筋肉は自分でも簡単にマッサージする事ができるので、膝の痛みがある方は一度実践してみてください。
具体的な方法は以下の通りです。
- 前ももの筋肉を手のひら全体でつかむ
- 軽く圧迫しながら太ももの輪郭に沿って、筋肉を左右へ動かす
- 裏ももも同様に行う
ポイントは、骨の上で筋肉を滑らせるようなイメージで動かす事です。
骨と言ってもイメージしにくい方は、太ももの中心に一本の棒が通っているのをイメージしていただき、その周りを筋肉が滑るように手のひらで動かしましょう。
マッサージの時間は特に定めませんが、気持ち良くなるまでやっても大丈夫です。
ストレッチ
膝周りの筋肉は前ももの大腿四頭筋、裏もものハムストリングスが非常に大きな筋肉です。
大きな筋肉だけに、柔軟性が低くなると膝へ与える影響も大きいため、ストレッチで柔軟性を高めることがお勧めです。
大腿四頭筋のストレッチ
- 足を伸ばして座る
- 片側の膝を曲げ、かかとをおしりの辺りにつける
- 両肘を床につける
- 余裕のある人は肘を離して背中を床につける
- そのままの姿勢で15〜20秒キープする
- 2〜3セット行う
ポイントは、腰を軽く丸めながらストレッチすることです。
腰を軽く丸めることで、大腿四頭筋がよりストレッチされるので、効果を高めることができます。
ハムストリングスのストレッチ
- 足を伸ばして座る
- 腰から背中を真っ直ぐ伸ばす
- 両手を前へ突き出しながら体を倒す
- 指先がつま先をさわる、可能ならつま先をこえるように体を倒していく
- 限界のところで10秒キープする
- 2〜3セット行う
ポイントは、できるだけ腰から背中は真っ直ぐ伸ばしたまま、体を前に倒すことです。
ハムストリングスは間接的に腰を丸くする働きがあるので、腰を伸ばすことでよりストレッチ効果を高めることができます。
筋トレ
膝関節は曲げ伸ばしは大きく動きますが、横やひねりの動きはほとんど動きません。
それだけに、横やひねりの動きに弱いため、筋肉の働きで膝を安定させることが重要です。
そこで重要となるのが、ハムストリングスと膝窩筋です。
多くの人は前ももの大腿四頭筋が普段の生活の中で使われやすく、反対に裏もものハムストリングスは使われにくい傾向にあります。
なので、ハムストリングスが弱くなりやすいため、筋トレすることで大腿四頭筋とのバランスが取れ、膝を安定させやすくなります。
膝窩筋はいわゆる膝のインナーマッスルで、関節のすぐ近くに位置し、膝を安定させてくれます。
ハムストリングスの筋トレ
- うつ伏せになる
- 膝と膝の間は握りこぶし2個分ほどあける
- かかとをおしりの外側へ向かってゆっくりと曲げる
- 曲げられるところまで曲げたら、元の位置までゆっくりと膝を伸ばす
- 20回程度繰り返す
ポイントは、なるべくゆっくりと曲げ伸ばしをすることです。
筋トレというと強い力で瞬間的に力を入れることをイメージするかもしれませんが、普段の生活ではそのような場面はほぼありません。
むしろ、筋肉がゆっくりと伸ばされながらも力を発揮するような力の入れ方が求められるので、なるべくゆっくりと行うようにしましょう。
膝窩筋の筋トレ
- 足を伸ばして座る
- 片側の膝を少し曲げる
- つま先を内側に向ける
- つま先を内側へ向けたまま、かかとを滑らせるように膝を90度以上曲げる
- 元の位置まで膝を伸ばす
- 20回程度繰り返す
ポイントは、つま先を内側へ向けたままの状態を保ちつつ、膝を曲げることです。
膝窩筋は膝を曲げる働きとすねの骨を内側へひねる働きを持ちます。
なので、つま先を内側へ向けることですねも内側にひねり、その状態で膝を曲げることで膝窩筋が働きやすくなります。
姿勢を意識する
猫背や反り腰、O脚やX脚など、姿勢が悪いと歩く時にも大きな影響があります。
一度ご自身で試してもらうと分かると思いますが、思いっきり猫背にして歩くのと背筋を伸ばして歩くのでは歩いている感覚が全然違うはずです。
背骨が変形して伸ばそうと思っても伸ばせないという方以外は、ちゃんと意識すれば伸ばせるはずなので、姿勢を正すことを普段の生活から意識してしましょう。
歩き方を意識する
姿勢と同じくらい歩き方も重要です。
たとえば、足をついた時に膝が内側に入ってしまう、体が横へ傾いてしまう、つま先が大きく外側へ向いて着地してしまうなど、歩き方1つとっても全く同じ方はいません。
膝に関しては、過度に膝が内側、あるいは外側へ偏る歩き方やつま先が外側を向いたまま着地する歩き方は良くはありません。
膝は曲げ伸ばしは大きく動きますが、ひねりや傾きには弱い構造なので、なるべく真っ直ぐ体重をかけて歩くことがポイントです。
普段から自分がそうなっていないか意識して歩きましょう。
理学ボディのおすすめ
今回紹介した対策を実践しても中々膝の痛みがなくならないという方は、理学ボディで施術を受けることがおすすめです。
理学ボディでは、最短で痛みを改善させることにこだわっており、筋膜という組織に対して施術を行います。
筋膜は筋肉を覆っている膜状の組織で、筋膜が硬くなると筋肉の柔軟性が低下、筋力が発揮しにくいなどが起こります。
筋膜の硬さのある場所はピンポイントで存在しているため、ストレッチやマッサージでは中々ほぐすことができません。
もし、筋膜の硬さが腰痛に影響しているのなら、ストレッチやマッサージをしていても中々改善することは難しいでしょう。
ですが、筋膜の施術に精通している理学ボディのセラピストなら、ピンポイントの硬さでも見つけることができます。
もし、膝の痛みがなくならなくて困っているという方は、ぜひ理学ボディにお越しいただき、筋膜の施術を受けてみてください。
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